小矢部の獅子
「メルヘンの街・小矢部」には、貴重な民俗芸能である獅子舞が多く、市内84か所に、今も保存、伝承されている。小矢部の獅子は「百足獅子」である。大きくて重い獅子頭、弓形の竹を張った長い胴幕(かや)、それは百足のような形をした勇壮な獅子である。
舞の演目の名称や、獅子あやしの所作、そしてその採り物等から、氷見獅子、砺波獅子の影響を受けたタイプに分類できる。
400年もの昔に始まる、観音寺・天神祭に奉納する旧石動町の天神獅子(獅子舞盆・5月第4土・日、32町32組)をはじめ、市内各地には、江戸末期から明治中期にかけて急速に普及し、芸能化されたバラエティに富んだ獅子舞が地区の春秋の祭礼に奉納され、継承されている(13地区52か所)。
百足獅子は、全国の獅子舞の中でも特異な形態と言われているが、その発生や様相は明らかでではない。多くの先達が育て培ってきた伝統を脈々と受け継いでいくとともに、こうした考察を加えていくことも私たち市民の使命である。
小矢部市獅子舞大共演会
私達の祖先が語り、受け継いできた伝統芸能、獅子舞は、各派各流でバラエティに富んでおり、勇壮華麗な舞、色彩豊かな衣装、賑やかな囃子と相まって、見ごたえのある素晴らしいものである。
その獅子舞を一同に集め、毎年5月の第4日曜日に大共演会が開催される。この日は市内全域の獅子舞に参加を呼びかけ、10数組の獅子舞が披露される。各町内の迫力ある演技を楽しみに、県内外から多くの観光客が訪れている。